「今年の春から匠の元を訪れていたY様のCBがようやくお引渡しとなりました
突然脇道から飛び出してきた自動車に愛車を奪われ、重傷をおったY様…
もう手に入らないTSR製のカウルは無残にも引きちぎられ…
特注のTSR製フルエキはひしゃげ…
曲がったフレームはもう愛車の最後を告げていました…
そんな傷心に浸るY様が相談に訪れたのが巧みが率いる川口にあるオートショップアオヤマだったのです」
「そのくだりは前回聞いたよ」
「しかも、加藤みどりさんまだ居る?」
「男女の中はそう簡単に切れないのだよ、若いチミにはまだ理解できんだろうがな」
「巧みが選んだ素材は、今年の限定モデルのCB1300SB」
「他のCBとは一線を画したいY様にはもうこれしかありませんでした」
かろうじてダメージを受けずにすんだブレンボのキャリパーたちは匠の手によって移植され
新しいあるじの下へ…」
「カミジョーメカがやった仕事だろ」
「ABS全摘大変だって言ってたぞ」
「うるさいよ」
「ガンコートで鮮やかな漆黒と化し、新調したセパレートハンドルも数少ないダメージを受けなかったパーツのTSR製トップブリッジの上に無事装着され、アクティブ製のメーターもコクピット内に復活したのでした」
「塗ったのがガレージサムさんでぇ、ハンドル周りがカミジョーメカで、デジタルメーターがモトパチメカね」
「何で邪魔しに来るかね、アニジャは…もう」
「装着が危ぶまれたTSR製アンダーカウルも匠の手によって新車に移植する事ができたのです!しかもなんということをしてしまったのでしょう!シルバーで統一されたステッカーがその存在感を一層際立たせたのでした!」
「それもさぁ、結構苦労してたよ、カミジョーメカが…」
「ステッカーは!!ステッカーは誰が作ったんじゃい!!われぇ見とったろ!!」
「そこは、確かにてんちょーが鼻ホジホジしながらつまんなそーにやってた」
「珍しい舶来品のパワーブロンズ製のフェンダーレスキットも事故で破損していました、それが匠の手によって見事に復活したのです!!しかも純正色塗装が施されその一体感には目を見張るほどです!!そして!あ~またこの人はどこまでやればきがすむのでしょぅ~ここもシルバーで統一されたステッカーで…もうこれ以上はわたくしが言うまでもありませんでした…HONDAまで…」
「その純正色の再現性は当然トータルクラフトさんの仕事ですよね」
「それにしても、どんな手使うとみどりさんがこんなてんちょーを賞賛してんのかもはやそこも興味だな」
「あ、アレか、夜…」
ぼふ!!
うぐ!!
「そう言えば今年のツーリングでも降りるインターチェンジ間違えてブッチぎっちゃたよね」
「そんな事やると来年の新年会でどんな目に遭うかは知ってるよね」
「てんちょーはしつこいよ、ねちっこくイジルよ覚悟しなちゃい!!」
「こうして完成し、引渡しとなったY様のCB…きっと過去の忌まわしい記憶も忘れ新しいバイクライフを過ごしていくことでしょう…」
「結局てんちょーステッカー貼っただということで…」
ぺし!
イテッ!!
みなさぁーんこの店客にでこピンしますよー気をつけてくださーい!!