「ふぅぅぅ~」
「どうした、どうした?」
「はぁぁぁ~」
「いやね、今後のオートショップアオヤマの在り方をここ半年くらい考えて悩んでいるんだよ、アニジャくん…」
「なんだ、どうした…」
「これからの二輪販売店は大きく変革していくことになるからさ、今までウチを支えてくれたお客様を第一に中長期的に責任ある経営判断をしなくてはならない時がやって来たってことさ」
「今日はまた、柄にもなく真面目な内容だな…」
「そんな迷える立派な竿をお持ちのてんちょーの元にさ…」
「さ、竿…」
「立派な竿が入荷したって話さ」
「ん…」
「下ネタか?…まさか冒頭の流れからそれは無い…よな」
「立派な竿をお持ちのてんちょーの元にやってきた竿をどうぞご覧ください!」
「ハアァァイ!まずは、その硬さではてんちょーのモノにも匹敵するであろうクロモリ製スイングアームピボットシャフトでござぁ~い」
「よく見てこの先端のカリ具合!しかも、こんな固いのでイカれたらどうしますアニジャさんよってことですよ!!」
「すんごぉぉい、こんなのはじめてぇぇ…って言ってみな」
「言うかぁぁ!!」
「ていうかシレっといつもの感じになってねーか?」
「コイツを駆使すりゃライバルたちの茂みにもグイグイ分け入ることが出来るってもんじゃないですかアニジャさんよ!わかるぅぅ!」
「いつにも増して下ネタ暴走中だな、冒頭の真面目なてんちょーはどこ行った」
「そしてこちらをご覧あそばせよ、アニジャさんコレコレ!」
「ほうら、ご開帳ぅぅぅぅ!!」
「目を逸らさないでようく見てごらん…この金色に輝く、ぶっとくて長い竿を!」
「てんちょーもいろいろと仕込んですんごいモノには仕上げたがコイツにゃー負ける!」
「いや、もう無理!!」
「もう許してぇ…堪忍してぇぇ!!」
「でもコイツさえ手に入れちまえば…」
「嫌がる彼女…いや、ライバルたちの奥の院まで突き刺すことが…」
「そうかコイツが欲しいのか」
「それなら、欲しいぃぃぃ!!って言ってみなアニジャ!」
「だから言わねぇぇって!!もうやめろよー!!」
「だめだって!!オフィシャルで超えちゃいけねー一線を今越えようとしてんだぜアンタ!!わかってんのか!!」
「でも…」
「でも?」
「俺たちゃ、悩んでるてんちょーなんか見たくねぇ…」
「俺たちの知ってる卑猥極まりないてんちょーが帰ってきて…うれしい…よ」
「アニジャァァァァ~!!」
ヒシ!!
「ひし!!じゃねーよ!!どう考えたってアウトだろ今回…」