次に走るライダーはすぐにツナギを着てスタンバイ
監督Y・テンチョーが決めた絶対ルール
だからT・スズキの走行中にツナギを着て待機していたH・シモジはウンコに手間取っていたのだ
体が軽くなったH・シモジはチェッカーを目指し鬼神のごとく前を追っていた
この時スタートライダー、メカ・神ジョーがツナギを着てスタンバイしていた
当然、彼の出番が訪れないのを誰もが願っていた
周回数の自己申告票を回収に、交流のあるオフィシャルX氏がピットを訪れた
「良い所走ってるね」
「でも狙ってるのは表彰台ですから」
「この前を走ってるゼッケン〇〇番と〇〇番はマシンが持たないと思うけどね…」
長年にわたりレースを見てきたX氏の言葉は
現実のものとなった
ピットロードからH・シモジに提示されたポジションは
「4」
確実に表彰台圏内に入った
しかもH・シモジは前を走る3位チームより速いタイムで周回しているのだ
監督Y・テンチョーは震えた
現実は3位チームとはラップ数が違うので追いつくことが無いのは分かっていたが
Y・テンチョーは興奮が止まらなくなっていた
スタートから4時間を過ぎ残り1時間を切ったこの時我々は表彰台圏内を走っているのだ
これまで面白おかしくやってきた耐久レース
打ち上げもそれなりに楽しくやってきた
でも今年は結果を残した後の打ち上げを全員に楽しんでほしかった
チームを去ったK・ブンゲンがずっと訴え続けたこと
「レースは勝たなきゃ意味がない、勝った時の喜びは何にも代えがたい」
「それを皆に味わってほしい」
優勝はできなかったが
目標は達成した
4位表彰台
H・シモジはウイニングラップ終了後マシンを止め
ヘルメットも脱がず
いや、ヘルメットを脱がず
泣いた
これで最後だからと呼んだ奥様とお嬢様の前で…
コンクリートウオールを挟んで男泣きするH・シモジを勝利の女神がそっと見守っていた
8年間の間に数々のライダーと数々のスタッフが結集した最高のチームは最後の戦いを過去最高順位の4位でその歴史を終えた…
なんか今回は、スカした感じでカッコ良くまとめやがってチョッと感じ悪いな…
それでは皆さん次回
「狂喜乱舞の大打ち上げパーチー編でお会いしやしょ~!!」
落差が激しいわ!!