ふぅ…
「どうしたんですか、てんちょーレースまであと一週間もないと言うのに!」
あ~ぁ
「明日は練習でしょ!気合入れていきましょー!」
「だってさぁ今回は俺のハニーたちが来ないんだろぅ…カミジョーメカぁ」
「俺のはにー?なんですのそれ?」
「まりあちゃんと美香ちゃん…」
「来ないんだろ…」
「あ~その件ですか、彼女達は2年に一度の東京モーターショーのお仕事だそうです」
「そりゃそうだよなぁ…表彰台にも上がれないライダーの応援より数万人も来場する東京モーターショーの方が彼女達…輝けるもんなぁ…」
「テンション上がらんよ…」
「何を目的でレースしてんですか…」
「仕方が無い、じゃあ彼女達の穴を埋めるべく新たに加わるスタッフをここでご紹介しましょう」
「えっ、なんちゅーせい!カミジョーメカ!新しいおなごきゃ!」
「女子ではございません、秘密裏に開発を進めてきた『KAKERU君』です!」
「かけるクン?」
「既に実用段階に入っており今回のテイストから実践投入いたします!」
「さあ!ご覧下さい!『KAKERU君』の勇士をぉぉぉぉ!!」
…
「代替して頂いたお客様が前に乗ってたTodayじゃん…」
「か!け!る!く!ん!です!!」
「しかも初代です!」
「初代とかどうでもいいよ…」
「で、誰が担当すんの、スターター回す役」
「KAKERU君のパイロットは誰かと言う事ですね!」
「ご心配は無用でございます。この日のために厳しい訓練を耐え抜いた専属パイロットもご紹介しましょう!」
「入れ!」
「…」
「アニジャじゃん…」
「数多くの訓練生の中でKAKERU君のスペックを引き出せるのは彼だけでした」
「ただ、エンジン掛けて全開にするだけだろ…」
「なぁにをおっしゃいますやら おサルさん!」
「おサルさん?」
「このKAKERU君とシンクロできた唯一のニュータイプが彼だったのです!」
「アニジャがぁ?」
「それではてんちょーCBにまたがって下さいギアは一速、合図をしたらクラッチレバーを一気にリリースするのです!」
「知ってるよそれくらい…」
「ようし!アニジャ!KAKERU君始動!」
「イエッサー!!」
ピピピピピピピピピ…
「波動エネルギー充填効率95%!!」
「はどうえねるぎー? ピピピってアニジャ口で言ってるよねそれ…」
「KAKERU君!
いぐにっしょん!
おんおんおんおん…!!」
キュルキュル ブルンタッタッタッタ…
「あっ、結局セルでエンジン掛けたよね、今」
「これより、KAKERU君の出力を最大に引き上げます!!」
「ねえ、その変テコリンなパイロットスーツみたいのとヘルメット要る?」
「本番当日もそんな格好でやるの?みっともないから普通にやろうよ…」
「最大出力まで後30秒!!」
「聞いてる?人の話?」
「アクセル回してるだけじゃん…誰でも出来るじゃん…それ…」
「最大出力まであと10秒!!」
「これより!カウントダウンに入る!!」
「5・4・3・2・1…」
「シンクロ完了!!全開走行に入りましたぁ!!」
「てんちょー!今です!!トリガーを!」
「クラッチレバーでしょ…」
バウン!
「成功です!てんちょーKAKERU君の動力がCBレーサーにシンクロ完了いたしました!!」
「んっ?どうした!アニジャ!あにじゃぁ!」
「これはいかん!CBレーサーに火を入れようとKAKERU君の出力を訓練以上に引き出そうと無理をしたしまったのかもしれん!」
「アニジャをすぐに救護室へ!」
「ねえ、これ、まだ続ける?明日の準備で忙しいんだけど…」