テイストへ向け最終練習日となる4日は2秒台を目指し必死に走るも遠く及ばず…
言っても仕方が無いので、今日は、本番に向けてCBレーサーを洗車でもと…
「カミジョーメカー洗っといてぇ~」
「はーい!」
シュッ シュッ シャカ シャカ シャカ きゅ きゅ ふき ふき…
…
「KAKERU君洗ってんじゃねーよ!!」
「えっ、だって当日は、記念すべき主役のKAKERU君のお披露目ですよ!」
「イヤミと捉えてよろしいか、カミジョウーくん!」
「今後のチミの待遇を左右するやもしれん発言だと判っての事やろね」
「そんな事より、ご報告が!」
「『そんな事』じゃぁないよ、いつも言ってるけど聞けよ人の話…」
「KAKERU君が更なる進化を遂げ2号として生まれ変わりました!」
「ねえ、KAKERU君の開発はさあ、もういいからその情熱を少しはCBレーサー速くするとかにまわせない?」
「今回は、エースパイロットのアニジャの意見を取り入れ、大改造しました!」
「KAKERU君が生まれ変わった瞬間です!」
「ご覧下さい、その ゆ・う・しを …」
…
「ん…カゴかな、よく分かんないんだけど…カゴが…付いたね…」
「ちょっと、庶民的になったかな、奥様向けに買い物の時に便利とかなった感じ…」
「それ、いる?カゴ?」
「あんたは、何もわかってなぁぁぁぁぁい!!」
「あ、アンタ?」
「あなたは、グリッドに付いたらお気楽にカメラマンの撮影に答えたり、レースクイーンのお尻を触ったり!」
「あ~いい気なもんだ!!」
「お尻は触ってないよ」
「スタートまでの間、どんだけスタッフが苦労してるのかあんた分かってんのか!」
「それは…いつもありがとう…感謝してるよ…」
「いや!あんた分かっちゃいない!!」
「すまん、謝るよ、いつもありがとうございます…」
「エースパイロット、アニジャならではの視点に私もたまげました…」
「グリッドから撤収する時にタイヤウオーマーを持ち帰るのにコードが足に絡まったり、それも二つで…あ~もう!!」
「ってなるってね」
「不器用だろ…」
「いまなんと?」
「い、いえ、なにも…」
「そこで、局地戦用KAKERU君に資材輸送能力も加味してみてはとの提案がアニジャからなされたのです!」
「きょくちせんよう?」
「我々が夜を徹してアニジャのリクエストに答えるべく完成させたのが、KAKERU君2号なのです!」
「原付用のカゴをタイラップで止めてあるだけに見えますが…徹夜でやる事かい?」
「今、なにか?」
「い、いえ、なにも…」
そうかぁ…今回の主役はこっちかぁ…
「じゃあ、CBは、自分で洗車して自分で整備するよ…」
「この後、改良を加えKAKERU君V3へと進化する予定でございます!」
「てんちょーのご期待に添えるべく!!」
「そ、そう…特に期待した覚えもないんだけど、任せるけど程々にね、徹夜は体に良くないよ…」