「てんちょー!お待たせいたしました!とうとう完成しました!」
「カミジョーメカさぁ…だから…もういいよぉ…しかも何一つ待ってないからね…」
「秘密裏に進めてまいりましたプロジェクトが終了し本日!デビューの日を迎えることが出来ました!」
「ご覧下さい!K・・A・・Z・・A・・R・・U・・・んジャーです!」
「何タメて言ってんだよ」
「しかも今回は戦隊ヒーローシリーズで押す算段?」
「めでたきデビューの日を迎えたわけではありますが、このネーミングにつきまして、残念なご報告もございます…」
「当初我々は、『かザル』と命名し、あの日光東照宮の三猿の仲間入りを目指し、関係各所に陳情を繰り返すとともにロビー活動にも勤しみ努力を重ねてまいりました」
「見ざる!聞かざる!言わざる!そして!かザル!ってね…」
「ぷっ」
「自分で言ってちょっとウケてんじゃねーよ!」
「ぷぷっ」
「アニジャもいたの?何一緒にウケちゃってんの、おもしろいそれ?」
「アンタみたいな三流には分からんのでしょう、このギャグのセンスが!」
「三流?」
「何れにしても、当たった関係者のその全てから失笑しか得られず『かザル』の命名を断念した我々は、彼らに思い知らせるためその存在感をアピールすべく強そうな名前に変更する事を決断した次第でございます」
「そりゃ失笑もかうわな、仕事もしないで何やってんの?」
「そう!その名がKAZARUんジャー!」
「相変わらず聞かないね人の話…」
「5人とか居るの?」
「いえ!予算の関係で1個だけです!」
「じゃあ、『KAZARUくん』とかでよかったんじゃない?」
「何をおっしゃるお猿さん」
「さ、猿?」
「あー!あんたは、俺たちのこの努力も理解できないお猿さんだ!」
「い~や、それ以下だ!バカモン!!」
「いつもパソコンに向かって仕事してるフリしながら、AVばっか視聴してやがって!」
「見てないって…」
「まあ、いい、その件は次の機会に暴くとして、ほら…新商品のステップ完成したんだろ…」
「?」
「そのまま商品棚に置くんじゃソイツが可愛そうだ…」
「えっ…」
「使ってみなよ…俺たちの血と汗と努力の結晶を…」
「KAZARUんジャーは決して表舞台には立つことのない…そう、そのアンタご自慢のそのステップを引き立たせるためだけに存在するバイプレイヤーなのさ…」
「これが…KAZARUんジャーの姿です…」
「か…」
「かみじょーめかぁぁぁぁぁ!」
「って、作ってくれたのガレージサムさんだろ…」
「てんちょー!」
「な、なに?モトパチメカ?」
「この度、スペアタイヤを容易に運搬するため、秘密裏に開発を進めてまいりました…」
「タイヤキャリーパフパフが完成いたしましたぁ!!」
みんな、もういいって…やめようよこんな事…お願いだから…